「不動産か金融資産か?」

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不動産か金融資産か、相続対策を議論する際にしばしば論点になります。
個人で所有するとしたら不動産を持つ方がいいのか、金融資産を持つ方がいいのか、という意味ですが、これが非常に悩ましい。
不動産を所有する場合、日々の収益確保になりますし、いざ相続の際には路線価や固定資産税評価額をベースに計算がされるため、時価の70〜80%で評価されるため相続税が安くなります。ただし、相続税は現金一括納付が原則なので、税金の納付には向かないデメリットがあります。また、収益物件として建物を所有する場合には、修繕や家賃の下落、立退きなど様々な面倒臭いイベントもあります。
一方で金融資産を所有する場合、不動産と同じく日々の収益確保になります。いざ相続の際は原則としてその時点での時価で評価されるため相続税は安くなりませんが、現金に換価するのは容易いので税金の納付には向きます。
ただし、時価の上下が激しい商品の場合であれば、その時の値動きで損をしたり得をしたりしますので不動産のように価格が安定しない側面があることも覚えておきたいです。
また、日本はゼロ金利ですから、債券で持つ場合には大幅な金利は期待できません。
最近は外貨建ての株式や債券も有力ですが、時価の上下に加えて為替の変動リスクも享受しなければならないため、タイミングによって大きく得をしたり損をしたりすることがあります。

以上が、不動産と金融資産の違いですが、それぞれメリットデメリットがあって、どちらが好ましいかは判断がつきません。個人の趣向やその時点の商品ラインナップ、政治的な背景や市況から自身で判断していくしかないのだと思います。
ただし一つ言えることは、「どちらの資産もメリットしかない」というわけではなく、一定の損を被るリスクがある以上は、どちらからに偏るというよりも分散投資でリスクを軽減していくスタイルが良いことは間違いないと思います。
丁度、昨日お会いした資産家と相続対策について話をしている際にそのような会話をしましたので、備忘も兼ねて整理してみました。