2021年4月20日「所得税と法人税の違いってなに?」

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先日、私が所属している鎌倉市の起業家支援団体の起業家メンバーから所得税と法人税の違いを教えて欲しいとの質問がありましたので、整理してみます。
所得税も法人税もビジネスから生じた儲け(所得)に対して課税する税金ですが、所得税は儲けが増えれば増えるほど高い税率が適用される「累進税率」、法人税はどこまで行っても同じ税率が適用される「比例税率」で、その計算構造に大きな違いがあります。
個人事業主には所得に対して所得税および住民税が課税されます。所得税等(住民税を含みます)の税率は、所得の多寡に応じて約15%〜約56%の税率が適用されます。つまり100円儲けたら低い税率であれば15円が税金として徴収され、高い税率ですと56円が税金として徴収される訳です。高い税率だと所得の半分超が税金ということになります。恐ろしいですね。
この様に所得の多寡に応じて税率が高くなっていく仕組みを「累進税率」と言います。
以下に所得税等の税率と税額の計算を速算表にまとめてみました。

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具体的に言えば、年間190万円稼ぐ人は、儲けに対して15.105%の所得税等が課税されます。計算しますと、286,995円(190万円×15.105%)が税金となります。仮にこの人の業績が良くなって年間300万円稼ぐようになると、300万円のうち195万円については、これまで通り15.105%の税率が適用されます。一方で300万円のうち195万円を超える105万円については、次に高い税率の20.210%が適用されます。税金の計算は195万円×15.105%+105万円×20.210%=506,752円となります。

上の速算表の「税額の計算」欄では「一定の控除額」を使って税額を計算しています。具体的にはこの様な感じです。300万円×20.210%−99,548円=506,752円。分けて計算しているか、一発で計算しているかの違いだけで、計算結果は同じです。 ここでご理解いただきたいのは、個人事業主の場合は、儲けが増えていくと高い税率が適用されるということです。「より稼ぐ人はより高い税金を納めるべきだ」と言ってしまえばその通りですが、極力支出を抑えたいというのが経営者の視点ですよね。

次に法人形態にかかる税金です。法人が稼ぐ所得に対しては、法人税並びに住民税および事業税が課税されます(個人も規模が大きくなると事業税が課税されるのですが、課税されるケースは少ないので個人の事業税は割愛します)。税率は個人事業主と違って、どこまで稼いでも一定で約23%(所得の金額が年間800万円を超えると、超える部分については以後、一律33.58%)です。つまり、100円を稼ぐ法人なら23円が法人税等(住民税および事業税を含みます)として徴収されますし、1,000円稼ぐ法人なら230円が法人税等として徴収されます。個人と比べて非常に解りやすいですね。この様に所得の多寡に関係なく一定の税率が適用される仕組みを「比例税率」と言います。
上記が、所得税と法人税の違いとなります。所得に対して課税する税金というカテゴリで言えば同じですが、その計算構造に大きな違いがあるのが特徴です。