「事業承継」

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先週、長い間お手伝いをさせていただいていた事業承継の案件が無事に成立し、クロージングしました。今回の案件は親族内での承継でしたが、当代の社長と次世代の経営者候補者との間でさまざまな思惑が錯綜し、すんなりと世代交代できるという案件ではありませんでした。
血がつながった間柄でも長年堆積したお互いの信頼関係や利害関係がその中に入ってくると、状態が難化し、硬直する事がままあり、今回も同じようにお互いのわだかまりが堆積し長期化した案件でした。
この様なケースでは第三者が間に入って交通整理する事が解決の糸口になる事があります。本件も第三者である私が間に入ることで、お互いの思いを吐き出して貰い、専門家の見地からどの様にすれば双方にとって都合が良いかを整理し、嫌でも互いが向き合って対話を重ねることで一つの解にまとめていくことができます。とても長い時間がかかりますが、この方法が最も良いと思っています。

事業承継というと、譲渡対価や負担する税金にばかり目がいきがちですが、本当はお互いの心情の整理が最も大切なことではないかと常々思います。 「この人に任せたい」、「この人が培ってきた事業を引継ぎたい」、その思いが事業承継を成功させる大事な要素ではないのかなと思います。
グロージングの面談で、当代の社長から「あなたのおかげで我が社は事業承継を成功させることができた、有難う。」と言われたとき、やはり私がやってきたことは間違っていなかったと確信できましたし、これまでの苦労が報われた気がしました。
そして、私が専門家として世の中に貢献できている実感がしました。
少し大げさかもしれませんが、自分のビジネスが世の中の役に立つということはとても幸せなことだと思います。これからも私にできることをしっかりやっていきます。